BYOD とクラウドをつなげる

 

「変化こそ唯一の永遠である」という名言は、進化の著しいテクノロジー業界をうまく表現していると思います。例えば、タッチスクリーン式のスマートフォンやタブレットなど、市場に出始めた初期の頃は大したことはなさそうだった新たなテクノロジーも、時が進むことで世の中のモビリティの概念やコミュニケーション様式を一変させることがあります。その間、デスクトップ PC やノートパソコンも、ご存知の通りビジネスにおいては欠かせないものへと進化してきました。

日々変化の著しい現在の世界において、企業は自社の将来を見据えながら、どのようにモビリティやクラウドを活用し、次のステージへと歩みを進めることができるかを考えねばなりません。

 

現在の IT 動向

より効率的に、かつ効果的にテクノロジーを活用するためのカタリスト (触媒) として、多くの企業がデジタル トランスフォーメーション (DX) を検討しています。DX を成功させる方法については様々な意見がありますが、組織の現在のニーズを精査することのみならず、選択したソリューションがどのように DX の達成に貢献できるかを踏まえた、有意義な改革が必要となります。

現代の企業環境では、デスクトップ PC やノートパソコン、スマートフォンといった非常に多くのハードウェアに加え、さらに従来のクライアント サーバー アプリケーションから最新のウェブ向けアプリケーションおよびモバイル向けアプリケーションなど、様々なソフトウエアがあふれています。適切なクライアント仮想化テクノロジーを用いたデバイス管理の一元化は、企業のデジタル トランスフォーメーション達成に向けた取り組みなど、長期的な目標の達成にあたって非常に役立つこととなるでしょう。

 

モビリティの強み

調査会社 IDC のレポートによると、BYOD はアジアの企業の間では広く普及しており、ASEAN 諸国およびオーストラリアは、BYOD のサポートにおいて他国を率先しています。これらの国においては、10 社中 5 社以上がモバイル端末およびノートパソコン向けの BYOD ポリシーを実施しているか、今後 12 ヶ月以内に対応する予定です。

このように端末の種類や企業ポリシーが複雑になるにつれて、これらのデバイス管理やサポート、また企業リソースへのシームレスなアクセス環境の提供など、IT 部門にとって大きな課題となる事項がでてきます。既存のサーバーを直ちに撤去するわけにもいかないため、仮想化テクノロジーを用いて、アプリケーションをユーザーの端末に効率的に配信する方針を採用する企業も多く存在します。

IDC の調査によると、企業から支給されるモバイル端末向けには、10 社中 4 社がリモート アプリケーション配信または VDI を採用することで、アプリのデプロイやアクセスサポートを行っています。すなわち、すでに多くの企業が仮想化テクノロジーを使ってモバイル端末のアクセスを確保しているのです。

 

VDI

VDI は企業の端末管理の一元化、モビリティの活用およびコスト節約に大きく貢献するなど、 非常に魅力的なソリューションです。オーストラリアのメルボルンに拠点を構える Victorian Aboriginal Community Controlled Health Organisation (VACCHO) は、仮想化技術を活用し、既存の古いインフラの刷新に成功しました。

過去 20 年間で急速に拡大を遂げた VACCHO は、ヴィクトリア州全体の 35 の市町村に 1,500 人以上の従業員を抱えています。職員が Windows® や macOS®、Android や iOS® などの様々な種類の端末を使用していることに加え、既存のインフラはかなり古くなっており、Windows XP や Windows Server 2003 など、既にサポートが終了しているバージョンのソフトウエアを使用していました。

VACCHO ではデジタル トランスフォーメーションの一環として、既存の古いインフラおよびエンドユーザー端末の刷新を目的として、VDI の導入に踏み切りました。これによって、データを中央サーバーで保管し、暗号化された接続のもとで外部の脅威からのセキュリティを確保しつつも、従業員は場所に捉われることなく、自身の好みの端末から必要なデータやアプリケーションへアクセスすることができるようになりました。

 

クラウドへの移行

クラウドに関しては、以前と比べて企業では、クラウド上で重要な作業を行うことに対し、段々と抵抗感が減ってきています。モバイル端末や高速モバイル ネットワーク環境の普及により、接続性も今や大きな問題ではなくなりました。クラウドが徐々に受け入れられてきたように、デスクトップやアプリケーション配信も、今後より受け入れられていくと考えられます。

迅速でコスト効率の良いデプロイメントのため、企業はクラウドの柔軟性を活かし、さらに IT 活用を促進することができます。Microsoft Azure™ または Amazon Web Services™ などといったパブリック クラウドのプラットフォームを採用することで、VDI を最大限に活用し、物理的なハードウェアを新規に調達するコストや煩雑な手続きなしで、デジタル トランスフォーメーションとモビリティを実現することが可能となります。

支出を抑えて運用面に予算が回せるようになったことに加え、ハードウェア管理を専門家に任せ、様々な場面で見られる冗長性を設計しなおすことによって、信頼性が向上しました。さらに、クラウドベースの負荷分散、帯域幅の簡易なモニタリングと割り当て、そしてハードウェアの調達に時間をかけず、ストレージへ素早くアクセスできることによって、スケーラビリティを確保できるようになりました。

もちろん、必要となるソフトウエア ライセンスは企業のニーズと IT 戦略に必然的に左右されるため、クラウドが必ずしも解決策になるわけではありません。これについては、自社のニーズと所有コストを踏まえ、企業が最適なソリューションを吟味して選択することが重要です。

BYOD とクラウドが普及している今、柔軟性が高く、コスト効率の良いソリューションを用いることで、企業は既存のプラットフォームとモビリティ、クラウドをつなげることができ、自社のデジタル化を促進することができるのです。

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